住宅ローン・費用 基礎知識

【賃貸 vs 購入】月〇万円の家賃を払い続けるなら家を買うべき?

「家は財産」から「家は借金(負債)」と認識が変わってきていますが、いくら調べても買った家によるという見解になってきています。

もし今、月〇万円の家賃を払い続けているなら、ふと「賃貸に支払う費用で住宅購入をした方が得なのでは?」なんて考えたことありませんか?

特に私たち30代の共働き夫婦や、これからのライフプランを考えるDINKSの方々にとって、この問題は避けて通れません。子育て世代なら教育費との両立、DINKSなら将来の柔軟性も気になりますよね。私も数年前まで賃貸派で同じ悩みを抱えていました。

今は千葉でローコストな注文住宅を建て、双子の娘と愛犬(コーギー)と暮らしています。この経験以降もYOUTUBEなどで不動産鑑定士や不動産事業を行っている方から情報をインプットし続けております。

ここではそんな情報収集マニアな私から賃貸と購入、それぞれのリアルなメリット・デメリット、そして賢い選択のヒントを、私の失敗談も交えながらお伝えします。この記事を読めば、あなたがどちらのタイプか、そしてどんな選択肢があるのかがきっと見えてくるはずです。

「家賃がもったいない」は本当?賃貸と購入、生涯コストを徹底比較!

家を借りていると、「毎月〇万円もの家賃が、自分の資産として何も残らないなんて、もったいない!」と感じる方は多いのではないでしょうか。私もそうでした。

でも、本当に「掛け捨て保険のように何も残らないからもったいない」と割り切った考えでいいのでしょうか?

実は持ち家には住宅費以外にも「見えないコスト」がたくさん潜んでいます。この章では、賃貸と購入、それぞれの生涯コストを具体的に比較し、どちらがお得なのかを深掘りしていきましょう。

【衝撃の試算】月〇万円の家賃は●年でいくらになる?

あなたが毎月支払っている家賃、生涯でいくらになるか考えたことはありますか?

例えば、月10万円の家賃を35年間払い続けた場合、その総額はなんと4,200万円にもなります。これは、ちょっとした地方の注文住宅が建てられるくらいの金額ですよね。さらに最近では2年間に1回は更新料として丸っと賃貸料金分1か月分が必要になっているケースもあるため、仮に更新料を2年に一度、1月分かかると想定すると更新料だけでも170万円かかります。

家賃や更新料は毎月消えていく「消費」であり、あなたの資産として積み上がることはありません。もちろん、住む場所を得るための対価ではありますが、この事実を知ると「本当にこのままでいいのかな?」と改めて考えてしまいますよね。

期間月10万円の家賃総額
10年1,200万円
20年2,400万円
35年4,200万円
40年4,800万円

一方で、持ち家の場合はローンを完済すれば、その後は住居費が大幅に減るというメリットがあります。これは老後の生活設計を考える上で非常に大きな要素です。私も住宅ローンを組む際、老後のことをしっかり考えました。

持ち家にかかる「見えないコスト」も忘れずに!賃貸との総費用比較シミュレーション

これだけ大きな金額の話をされると「やっぱり家を買う方が絶対お得!」と思いがちですが、持ち家には住宅ローン返済以外にも、多くの「見えないコスト」が発生します。これを忘れてしまうと、後で「こんなはずじゃなかった…」と後悔することになりかねません。

持ち家にかかる主な費用は以下の通りです。

  • 初期費用:
    • 住宅費
      • 頭金(住宅費の一部です)
      • 登記費用(だいたい住宅ローンに含められます)
      • 仲介手数料(注文住宅では仲介は発生しません)
      • 印紙税
      • 火災保険・地震保険料(長期一括払いの場合も)
    • 不動産取得税(購入後)
    • 引っ越し費用
  • 維持費用(ランニングコスト):
    • 固定資産税・都市計画税(毎年)
    • 火災保険・地震保険料(更新時など)
    • 修繕費(外壁塗装、屋根の葺き替え、水回りの設備交換など数十年単位で発生)
    • マンションの場合は管理費・修繕積立金
    • リフォーム・リノベーション費用

私も千葉でローコストの注文住宅を建てましたが、賃貸で支払ったお金と同等くらいの金額で住宅ローンが組みたかったので月々の返済額は変わりないですが、やっぱり痛いのは税金ですね・・・

あとはまだ済んで数年なので至る所が痛んでいる。。。なんてことはありませんが、最近ではキッチンコンロが急に動かなくなり、賃貸であれば賃貸会社に依頼すれば賃貸会社から修理をしていただけるかと思いますが、何かあった時はすべて自分たち自身で対応しなくてはなりません。さらに費用も当然所有者である私たち負担です。

そう思うと数十年後に発生するであろう修繕費用はかなりの金額になるだろうと想像し計画的に貯蓄しておく必要があります。賃貸の家賃と持ち家のローン返済額だけを比較するのではなく、これらの「見えないコスト」も含めた「総費用」で比較することが、賢い選択の第一歩ですよ。

結局お得なのはどっち?〇万円で考える「賃貸vs購入」損益分岐点

では、具体的に月〇万円の家賃を払い続ける場合、どのくらいの価格帯の家なら購入した方がお得になるのでしょうか?これは一概には言えませんが、一つの目安として、月〇万円の家賃を支払っている方が、無理なく住宅ローンを返済できる物件価格の上限を考えることができます。

例えば、先ほどの月10万円、2年間に1度更新料の支払いがある場合のケースで考えてみます。


賃貸の場合

 家賃:10万円×12か月×35年=4,200万
 更新料:10万円×17回=170万

  合計、4,370万円


私たちのような新築一戸建てを購入する場合に、住居費に充てられる金額を4370万円から逆算します。

 火災保険:10万円×7回=70万
  ※5年に1回更新、地震保険は含まないものとします。
 修繕費:100万円×3回=300万円
  ※10年で100万円ほど見立てておきます。

 この2つですでに370万円が必要となり、賃貸と比較すると残りは4,000万円です。
 ここからは住宅費が決まらないことには税金が計算できないので家賃とバランスを見ながら考えていくと以下のようになります。


シミュレーションの前提(税金のみ考慮)

  • 予算合計: 4,000万円
  • 物件価格: 4,000万円(土地・建物含む)
  • 固定資産税評価額: 不動産価格の7割と仮定(4,000万円 × 0.7 = 2,800万円
    • 固定資産税評価額は実際の購入価格より低くなるのが一般的です。
  • 不動産取得税率: 住宅用の軽減税率 3% を適用。
    • 本来的にはさらに細かい控除がありますが、簡易計算のため評価額全体に適用しています。実際の支払額はこれより大幅に低くなる可能性があります。
  • 固定資産税率: 標準税率 1.4%
  • 都市計画税率: 0% (考慮しない)
  • 新築軽減措置: 最初の3年間は、建物の固定資産税が1/2になることを考慮し、簡易的に年間税額の約70%と仮定しました。

シミュレーション結果(税金のみ逆算)

予算4,000万円から、不動産取得税と35年間の固定資産税を差し引いて、建物と土地の費用にかけられる金額を算出します。

  1. 不動産取得税(初回のみ): 2,800万円(評価額) × 3% = 840,000円
    • ※繰り返しになりますが、これは非常に簡易的な概算です。実際の軽減措置(例:建物評価額からの1,200万円控除、土地の特例など)を適用すると、この金額より大幅に少なくなるケースがほとんどです。数万円〜数十万円程度に収まることが多いです。
  2. 固定資産税(35年間合計):
    • 軽減措置なしの場合: 2,800万円(評価額) × 1.4% = 392,000円/年
    • 最初の3年間(新築軽減措置適用時・概算): 392,000円 × 0.7 = 274,400円/年
    • 35年間の固定資産税合計: (274,400円/年 × 3年) + (392,000円/年 × 32年) = 13,340,000円
  3. 税金合計(35年間): 不動産取得税(初回) + 固定資産税(35年間) 840,000円 + 13,340,000円 = 14,180,000円

【建物+土地にかけられる費用】

予算総額から税金合計を差し引くと 40,000,000円 (予算) - 14,180,000円 (税金合計) = 25,820,000円 となります。

こちらは4000万の建物という前提の概算のため、もっと複雑に計算すると税金などを考慮し4000万円におさめるためにはおおよそ住宅にかけられる費用は3,000万くらいなものではないかと推測します。

3000万円を35年間で計算すると毎月7.2万円くらいの住居費に収めないといけません・・・

よくハウスメーカーが「賃料で支払う費用で家が建つ!!!」の必殺トークは鵜呑みにしないことが賢明ですね.

ここは見落とすとダメ、住宅は最悪売れる

ここまで見ると、住宅購入だと全然住居にお金かけられないじゃん!!世の中の人達もったいなさすぎ!!
と感じると思います。

なので私たちはローコスト住宅を選んだということもありますが、持ち家は賃貸と比較して最悪売却するという選択肢があることを忘れてはいけません。

例として私が住んでいる千葉県の駅から1~2キロ離れた街の場合、35年越えの住宅の中古価格を調べると大体1000~2000万円で取引されています。

ということを考えると、先ほどの住宅費の予算が3000万と言いましたが、35年後に売ることを考えると予算がさらに1000~2000万円増えるので4000~5000万円まで住居費に充てることが可能になります。

売却価格が上がるケースは戸建てでは少ないので基本的には下がる想定ですが、立地が良ければ残存価値も高くなるためその分予算を増やしてもよいでしょう。

売ることまで考えると、結局賃貸と戸建てでもおおよそ同じくらい予算でになる

ということがわかりました。

とはいえ、ここまでは住宅ローンではなく、住宅費として考えてきましたので実際は金利や銀行に支払う事務手数料などもかかることを踏まえたりしなければならないので完全に一緒にはならないことご承知ください。あくまで月間10万円くらい支払っているなら同額程度で家が買えそう!という結論です。

35年後から大きく差が出る

ここまでは住宅ローンが35年が多いため35年間で計算してきましたが、住宅費が完済した後から正直勝負だと思っています。

35年経過した後、住居で支払うのは修繕・メンテナンス費と固定資産税程度のため、毎年数万円の支払いで済みます。

一方で賃貸は35年経過しても年間で数万円で住めるところなど日本全国探してもあまり見つからないため、早く買って長く住めばその分賃貸との差も大きくなっていきます。

賃貸は住み替えられるやん

という声もありますが、子どもが巣立ったタイミングで引越しをする場合、引っ越し代金も当然かかりますし、年齢によっては住みたい家を契約できない可能性もあります。

では、駅から遠く安いところに引っ越すとなると足腰が昔に比べて弱くなっているのに、逆に不便なところに住むと余計に生活が大変になるリスクもあります。

そのため賃貸が必ずしも将来的に安定とは言えないということは知っておくと良いと思います。

結局施主だから購入派なんだろ?と疑うた方もいらっしゃると思いますので、もともと超が付くほど賃貸派だった私が購入に踏み切ることになった経緯をこちらにまとめていますのでぜひ読んで下さい!

ライフスタイルで決まる!賃貸派・購入派それぞれのリアルなメリット・デメリット

賃貸と持ち家、どちらが良いかは、あなたのライフスタイルや将来の計画によって大きく変わってきます。ここでは、それぞれの選択肢が持つリアルなメリットとデメリットを、私の体験も交えながらご紹介します。

「身軽さ」が魅力?賃貸暮らしのメリット・デメリット

賃貸暮らしの最大の魅力は、なんといってもその「身軽さ」にあります。逆に私たちはペット対応物件が極端に少なく、特に賃貸マンションだとほとんどがNGでした。

大型犬を賃貸で貸してもらえる場合は敷金礼金を倍払うケースもあり身軽である賃貸のメリットが金銭という制約で縛られていたのでそれがストレスになっていました。

賃貸暮らしのメリット

  • 住み替えの自由度が高い: 転勤や家族構成の変化(子供が巣立った、夫婦2人になったなど)に合わせて、比較的簡単に住まいを変えられます。私もかつて大手通信会社で営業職をしていたので、転勤の可能性も考えて賃貸を選んでいました。
  • 初期費用が購入に比べて安い: 敷金・礼金、仲介手数料などが主な初期費用で、購入費用に比べると抑えられます。
  • 維持費がかからない: 固定資産税や修繕費、管理費などを大家さんが負担してくれるため、急な出費に悩まされることがありません。
  • 災害時のリスクが低い: 万が一、建物が損壊しても、修繕義務は大家さんにあります。
  • ご近所トラブル時の対応: トラブルが発生した場合、管理会社や大家さんに相談しやすいという側面があります。
  • 「とりあえず」の選択肢として: 特に20代後半のDINKSの方々のように、まだライフプランが固まっていない場合でも、柔軟な選択が可能です。

賃貸暮らしのデメリット

  • 資産にならない: いくら家賃を払っても、自分の資産としては何も残りません。
  • 老後の住居不安: 年齢を重ねて収入が減少した際に、家賃の支払いが大きな負担になる可能性があります。高齢になると賃貸契約が難しくなるケースもあります。
  • 自由なカスタマイズが難しい: 壁に穴を開けたり、大規模なリフォームをしたりすることは基本的にできません。
  • 更新料の負担: 2年ごとなどに家賃の1ヶ月分程度の更新料がかかる場合があります。
  • ペットや間取りの制限: 私の愛犬(コーギー)のようにペットを飼っている場合、物件が限定されたり、鳴き声や毛の問題で近隣に気を遣ったりすることもあります。また、気に入った立地でも理想の間取りが見つかりにくいことも。

「安心感と資産」が魅力!持ち家暮らしのメリット・デメリット

一方、持ち家には賃貸にはない「安心感」と「資産性」という大きな魅力があります。

持ち家暮らしのメリット

  • 資産になる: 土地や建物は資産となり、将来売却することも可能ですし、2世代に渡って住むことや賃貸に貸すこともできます。
  • 老後の住居費負担が減る: ローンを完済すれば、月々の住居費は固定資産税や維持費のみとなり、大幅に負担が軽減されます。老後の不安を解消する大きな要因です。
  • 住宅ローン控除による節税効果: 一定の条件を満たせば、年末のローン残高に応じて所得税や住民税が軽減されます。所得が多い方ほど控除はありがたいです。私もこれには助けられています。
  • 団体信用生命保険(団信)による安心: ローン契約者が死亡または高度障害になった場合、ローンの残債が保険でカバーされるため、残された家族に住居と借金が残る心配がありません。
  • 自由なリフォーム・DIY: 自分の好きなように間取りを変更したり、内装をカスタマイズしたりできます。私も家事効率を重視した間取りにしたくて、注文住宅を選びました。双子の娘が走り回れる広いリビングや、家事動線を短くした設計は、賃貸ではなかなか実現できませんでしたね。
  • 精神的な満足感: 「自分の家」という安心感や達成感は、何物にも代えがたいものです。

持ち家暮らしのデメリット

  • 初期費用・維持費用が高い: 先述の通り、購入時やその後の維持に多くの費用がかかります。特に修繕費は計画的な貯蓄が必須です。
  • 住み替えがしにくい: 売却には手間と時間がかかり、税金も発生します。転勤が多い方や、将来のライフプランがまだ不確定な方にはデメリットになる可能性があります。
  • 災害リスクの自己責任: 自然災害などで家が損壊した場合、修繕費用は自己負担(保険でカバーされる部分もありますが)。
  • 近隣トラブルの解消が難しい: 賃貸のように「引っ越せば済む」というわけにはいかないため、ご近所付き合いやトラブル解決にはより慎重な対応が求められます。
  • 流動性の低さ: 不動産は高額な資産であるため、急な現金が必要になった際にすぐに売却できるとは限りません。

後悔しないために!賃貸・購入の判断基準と、私が実践した賢い家づくり

賃貸と購入、どちらにも一長一短があることがお分かりいただけたでしょうか。では、あなたはどちらの選択肢に向いているのでしょうか?そして、私が実際に家づくりをする中で「これは知っておいてよかった!」と感じたポイントをお伝えします。

あなたはどっち向き?賃貸か購入か「タイプ別」診断チェックリスト

まずは、簡単なチェックリストで、あなたが賃貸向きか購入向きか、今の段階での傾向を見てみましょう。

【賃貸 vs 購入】タイプ別診断チェックリスト

質問項目賃貸向き購入向き
Q1. 転勤の可能性は?高い低い・なし
Q2. 将来のライフプランの柔軟性は?柔軟に変更したいある程度固まっている
Q3. 現在の貯蓄額は?少ないある程度ある
Q4. 家のカスタマイズ願望は?あまりないDIYやリフォームをしたい
Q5. 老後の住居費への不安は?不安あまり不安ではない
Q6. 住宅へのこだわりは?立地重視で間取りは二の次間取りやデザインもこだわりたい
Q7. 不動産という資産を持つことに興味は?あまりない興味がある
Q8. 毎月の支払いを一定にしたい?はい(家賃)いいえ(ローン変動も可)

診断結果のヒント

  • 賃貸向きのチェックが多い方: まだライフプランが不確定、または住み替えの自由度を重視する方には賃貸が向いています。特に仕事柄転勤がある方は持ち家を購入するにはハードルが高いかもしれません。無理に購入を検討するよりも、今は賃貸で柔軟に過ごし、将来的に再度検討するのも賢い選択です。
  • 購入向きのチェックが多い方: 将来の安定を重視し、資産形成や自分好みの住環境を求める方には購入が向いています。具体的な物件探しや資金計画を始めてみても良いでしょう。特に30代の共働き夫婦で、子育て環境を優先したい場合は、購入を検討するメリットは大きいですよ。20代のDINKSの方々も、将来設計がある程度見えているなら、ローコストで自由度の高い家づくりを検討する価値は十分にあります。

賃貸でも購入でも!住まい選びで「これだけは外せない」重要ポイント

賃貸を選ぶにしても、購入するにしても、住まい選びにおいて「これだけは外せない」という共通の重要ポイントがあります。

  1. 立地:
    • 通勤・通学の利便性: 毎日のことなので、ストレスなく移動できるか。
    • 子育て環境: 小学校・中学校区、公園、病院、習い事の有無など、お子さんがいるご家庭には特に重要です。
    • 周辺施設: スーパー、コンビニ、ドラッグストア、飲食店など、日常の買い物や生活に必要な施設が近くにあるか。
    • 将来性: 再開発の予定や人口動態など、将来的な街の価値も考慮すると良いでしょう。
  2. 災害リスク:
    • ハザードマップ(洪水、地震、土砂災害など)を確認し、その地域の災害リスクを把握しておくこと。
  3. ご近所環境:
    • 実際に周辺を歩いてみて、雰囲気や住民層を確認する。
    • 自治会の活動などもチェックしておくと良いでしょう。
  4. 将来的な流動性(特に購入の場合):
    • もし将来的に売却や賃貸に出す可能性を考えるなら、駅からの距離、周辺環境、物件のタイプ(戸建てかマンションか)なども重要になります。人気のあるエリアや、汎用性の高い間取りの物件は、いざという時に手放しやすい傾向にあります。

賃貸でも購入でも、まずは「どこに住みたいか」を明確にすることが、後悔しない第一歩です。家族会議でじっくり話し合い、優先順位を決めてから動き出すのがおすすめですよ。

住宅購入の前に知っておきたい!賢い情報収集とマネープラン

「家を買う」という決断を下したら、次はいよいよ具体的な情報収集とマネープランニングです。ここをしっかり押さえておけば、安心して家づくりを進められます。

まずはこれ!無料の住宅ローンシミュレーションを活用しよう

住宅ローンの相談に行く前に、まずは自分でできる範囲でシミュレーションをしてみましょう。インターネット上には、多くの無料住宅ローンシミュレーションサイトがあります。

シミュレーションで確認すべきポイント

  • 借入可能額: 年収や返済負担率から、最大でいくら借りられるか。
  • 毎月の返済額: 希望する借入額に対して、毎月いくら返済していくことになるのか。
  • 総返済額: 借入期間全体で、元金と利息の合計がいくらになるのか。

ここで重要なのは、「借りられる額」と「無理なく返せる額」は違う、という視点を持つことです。銀行がOKを出したからといって、それがそのままあなたの適正な返済額とは限りません。教育費や車の維持費、旅行代など、将来かかるであろう生活費を考慮した上で、現実的な返済計画を立てることが大切です。私の場合も、双子の教育費や、犬の医療費なども見込んで、無理のない返済計画を立てるように心がけました。

住宅ローン相談はどこでするべき?銀行選びと金利の仕組み

住宅ローンは、人生で最も大きな借入になることが多いです。だからこそ、慎重に、そして賢く選ぶ必要があります。

  • 複数の銀行を比較する: 都市銀行、地方銀行、ネット銀行、信用金庫など、様々な金融機関があります。それぞれ金利タイプ(変動型、固定型、ミックス型)、事務手数料、保証料、団信の内容などが異なります。私の場合は、金利の低さと手続きのシンプルさから住信SBIネット銀行を選びました。変動金利を選んだのは、今後の金利上昇リスクを考慮しつつも、現状の低金利のメリットを最大限に活かしたかったからです。
  • 住宅ローン比較サイトを活用: 複数の銀行の金利や条件を一度に比較できるサイトを活用すると効率的です。
住宅ローンの比較はモゲチェック
  • FP(ファイナンシャルプランナー)への相談: プロの視点から、ご自身のライフプランに合った最適な住宅ローンを提案してもらえます。特に共働き夫婦の場合、ペアローンにするか、夫婦どちらかの単独名義にするかなど、借り方にも様々な戦略があります。DINKSの方々も、将来のライフイベントを考慮したローン戦略は重要になってきますので、一度相談してみる価値は十分あります。
  • 金利の仕組みを理解する: 変動金利は市場金利の動きに合わせて変動するため、金利上昇リスクがあります。固定金利は一定期間金利が変わらないため安心感がありますが、一般的に変動金利より金利は高めです。どちらが自分に合っているのか、それぞれのメリット・デメリットをしっかり理解した上で選びましょう。

住宅会社・不動産会社選びはココをチェック!施主目線のアドバイス

良い住宅ローンを見つけるだけでなく、信頼できる住宅会社や不動産会社を選ぶことも、家づくり成功の鍵です。

住宅会社(ハウスメーカー・工務店)選びのポイント

  • 複数の会社を比較検討する: 複数のハウスメーカーや工務店からプランと見積もりを取り、比較検討しましょう。同じ要望でも、会社によって提案内容や金額が大きく異なります。
  • 実績と評判: 過去の実績や、実際に家を建てた人の評判(SNSやブログなども参考になる)をチェックする。
  • 担当者との相性: 家づくりは数ヶ月から1年以上の長い期間にわたります。信頼できて、疑問点にも丁寧に答えてくれる担当者を選ぶことが重要です。
  • 契約前の確認事項:
    • 保証内容: 瑕疵保証、地盤保証など、保証期間や内容をしっかり確認しましょう。
    • アフターサービス: 引き渡し後の点検やメンテナンス体制はどうか。
    • 追加費用の有無: 契約後に「これは別料金です」とならないよう、何が基本工事に含まれていて、何がオプションになるのかを明確にしておきましょう。
    • 施主支給の可否: 私の経験でもありましたが、自分で購入した設備(照明やカーテンレールなど)を持ち込めるかどうかは、事前に確認しておくべきです。住宅会社によっては「品質保証の観点からNG」という場合もあります。

不動産会社選びのポイント(土地探しの場合)

  • 物件情報量: 希望エリアの物件情報を豊富に持っているか。
  • 地域密着度: そのエリアの特性や相場に詳しいか。
  • 担当者の対応: 丁寧で親身になって相談に乗ってくれるか。

家づくりは分からないことだらけで不安になりますが、信頼できるプロと出会い、二人三脚で進めることで、納得のいく住まいが手に入りますよ。

まとめ

賃貸と購入、どちらにも一長一短がありますが、毎月10万円程度支払っている方は4000~5000万円の住宅ローンであれば、35年後に売却したときに賃貸で35年間支払う料金と同程度になると推測されます。

ただ賃貸も購入も金銭的な判断だけではなく、それぞれのメリット・デメリットがあるため、自分のライフプランや価値観に照らし合わせて慎重に判断してください。

私自身、ペットがいて選べる家が極端に少なかったことと、子どもを広い家で育てたかったこと、そして何より稼ぎ頭の自分が何かで死んだ時に家族の生活が困窮するリストを防ぎたいと思いから家づくりを始めました。

もし、少しでも「家を買うべきか?」と迷っているなら、この記事を参考に、ぜひ一歩踏み出してみてください。今回の情報が、皆さんの納得のいく住まい選びのきっかけになれば嬉しいです。

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