住宅を建てる際に、家事を楽にするために悩んだのがガス乾燥機『乾太くん』を導入するかです。
気になっているけれど、「導入費用が本当に回収できるの?」「子育て中のわが家に馴染む?」と迷う方は多いはず。
私も千葉県で双子の女の子とコーギー犬と暮らす中で、家事になるべく時間を使わないために「乾太くん」を取り入れようと検討しました。
しかし最終的には見送りを決断。初期費用からランニングコスト、設置のハードル、安全性まで徹底比較しました。本記事では、そのリアルな体験談をもとに「乾太くん」の費用感やメリット・デメリット、導入前にチェックすべきポイントを分かりやすく解説します。
これから注文住宅やリフォームで乾燥機導入を考える方にぜひ読んでほしい、具体的で実用的な情報をお届けします。
我が家のコンセプトは「子どもにもお財布にも優しい家づくり」です!
「おしゃれにしたい」「快適にしたい」「家事を楽にしたい」けど「できるだけ安くすませたい」
こんな価値観に合う方にきっと参考になりますので、ぜひ記事を見ていってくださるとありがたいです♪
目次
ガス乾燥機『乾太くん』とは?
そもそも『乾太くん』はリンナイが手がけるガス式の家庭用衣類乾燥機です。
一般的な電気式ドラム乾燥機と比べ、乾燥時間が短く、仕上がりのふんわり感が魅力です。
昨今電気代の高騰が続く中、電気代を抑えながら快適に使える乾燥機が気になっていました。双子の衣類が多い共働き家庭にとって「乾太くん」は強い味方になり得る一方、ガス配管工事や設置スペースといったハードルも存在します。
ここでは、基本スペックと他方式との違いを押さえ、メリット・デメリットを理解する第一歩としましょう。
乾太くんの基本スペックと特徴
- 乾燥方式:ガスを用いた高温乾燥
- 乾燥容量:3kg~9kgモデルをラインナップ
- 乾燥時間:標準コースで約40分/5kg
- サイズ:奥行き70cm×幅70cm×高さ70㎝程度 ※設置場所はまたこれより数㎝は必要になります。
- 特徴:電気式に比べて乾燥時間が30~50%短縮され、衣類のふんわり感◎。湿気や生乾き臭も軽減できます。
乾太くんによってモデルが異なるので詳しくはホームページでご確認ください。
ドラム式・電気式との違い
ここでは我が家で使用している乾燥付き洗濯機と乾太くんの違いについて大まかな特徴を比較します。
- 乾燥時間
- 乾太くん:約40分/5kg
- 電気ドラム:約60~80分/5kg
- 光熱費
- ガス料金:1回あたり約60~80円
- 電気式:1回あたり約120~150円
- 仕上がり
- 乾太くん:ふんわり仕上がり、静電気抑制
- 電気式:ややごわつきやすい
- メンテナンス
- 乾太くん:ガス配管点検必要
- 電気式:フィルター清掃のみ
ざっくりいうと電気式よりガス式の方が、乾燥が協力なので乾燥時間が短く、都市ガスならガス単価の方が電気単価より安いので光熱費もお得でかつふんわり仕上がるようなイメージを持っていただければよいです。
メンテナンスの手間さえ考えなければ、ガス式の乾燥機スゲー!!って感じですよね
乾太くん導入にかかる初期費用と設置条件
乾太くんを導入するには本体価格に加え、ガス配管工事費や排気ダクト設置費用が発生します。
わが家の見積もりでは、標準モデル本体が約20万円、ガス配管工事とダクト工事で約10万円、合計30万円ほどかかると言われました。
さらに、屋外排気や防水パンの追加工事がある場合は別途費用が必要です。設置スペースは奥行き70cm以上を確保し、排気用の窓や壁貫通部の施工が必須。これらの条件を満たさないと後から追加工事が発生しることになる可能性があります。
乾太くんの設置には事前の現場確認と信頼できる施工業者選定が欠かせません。
本体価格+ガス配管工事費の相場
冒頭で話した内容をまとめるとこんな感じの価格になります。
- 本体価格:12~30万円
- ガス配管工事:5~12万円
- 排気ダクト工事:5~8万円
- 防水パン設置:2万円前後
- 合計目安:26~50万円
※乾太くんのモデルや工務店や地域によって施工金額に差があるため、複数社から見積もりを取ることをおすすめします。
設置スペース・排気要件のチェックポイント
価格だけでなく設置するためにも必要な条件があるのでここもまとめて記載します。
- 設置スペース:奥行き60cm×幅60cm以上
- 排気方向:室外排気が基本。窓や外壁に専用ダクト穴が必要
- 防水パン:床面の水漏れ対策用に設置推奨
- ガス配管:既存の配管から分岐できるか要確認
- 近隣への配慮:夜間運転時の騒音・振動チェック
意外とスペースを取るので、大体は洗濯機に台を設置して、乾太くんを設置するケースが多いです。
ランニングコスト比較:ガス代 vs 電気式乾燥機・部屋干し
長く使うほど差が出るランニングコスト。わが家では毎日乾燥運転を想定し、ガス代と電気代をシミュレーションしました。
ガス代なら1回70円、年間26,000円。一方、電気式は1回140円、年間51,000円と差は25,000円程度になります。年間の差は確かにありますが、「乾太くん」の導入費用を回収するには約5年はかかる計算です。短期的な節約だけでなく、仕上がりの良さや家事時短効果とのバランスで判断しましょう。
部屋干し・電気式との年間コスト差
方法 | 1回コスト | 年間365回コスト | 5年コスト |
---|---|---|---|
ガス乾燥機 | 70円 | 25,550円 | 127,750円 |
電気式乾燥機 | 140円 | 51,100円 | 255,500円 |
部屋干し+除湿乾燥 ※速乾 | 100円 | 36,500円 | 182,500円 |
意外と除湿乾燥機とガス式乾燥機を比較すると値段の乖離が少なくないですか?
除湿乾燥機は5万程度で購入できるので、乾太くんの設置費用などを考えるとずいぶん安くかんじませんか?
我が家はそう思い乾燥したくない衣類基本的に除湿乾燥に回していますが冬でも夜中に乾くので満足しています。
さらに除湿乾燥機の中でも三菱の除湿乾燥機は消費電力が少なくランニングコストがほかのメーカーより安いのでお勧めです。
我が家が乾太くん導入を見送った5つの理由
ここまで乾太くんの概要を見てもらいましたが、私が最終的に「乾太くん」の導入を見送った理由について先に説明します。
費用対効果だけでなく生活リズムの相性も大きな要因でした。
① 想定以上の導入コストで予算オーバー
まずは端的にガス乾燥機単独で設置するのに30万円近くかかるとなった際に、乾燥機付き洗濯機のみの場合と比較してそこまでお得じゃなくね?となったたです。
縦型の洗濯機であれば容量の大きいもので10万以下で手に入りますが、ガス乾燥機を付けると+30万で合計40万円かかるって乾燥付き洗濯機の方が安いじゃん、、!ってなったのが最も大きな理由ですね。
② 家族の生活リズムに合わなかった
我が家は寝ている間に洗濯機を回し、翌朝乾燥されたものを片付けるスタイルなのですが、乾太くんはどうしても洗濯→乾燥が分断されてしまい、洗濯が終わるまでは待たなければいけないのが生活リズムにあっていませんでした。
洗濯から乾燥まで一気通貫でできることこそが、洗濯機に乾燥がついている最強の理由だと思います。
例えば、日中出かけている間に乾燥まで終わらせたい。そんな時に乾太くんは対応できないのが微妙にストレスだったので我が家にはあっていませんでした。
③ 設置場所が意外と無駄なのでは?
乾太くんを設置するとなると、大体見かけるのが洗濯機の上です。
ドラム式を購入した場合は上部にあっても問題ないと思いますが、縦型洗濯機を購入した場合は設置の高さ結構上げなければ干渉してしまい取り出しづらくなります。
乾燥機を別で付けるなら、もちろん洗濯機はドラム式を買うのではなく縦型を購入して安く済ませたいと思う家計も多いはずです。
そんななか設置の高さが上がるとその分、乾燥機に入れるのが大変になるのは想像にたやすいと思います。
濡れた洗濯物を持ち上げるのにも普通に大変なのに、高さが上がるともっと大変ですよね・・・
となると、結局洗濯機の横に設置するのも考えますが、横に置くとその分住宅の面積を多くとらなければいけません。
となると、結局土地も建物費用もプラスになるのでコストも余計にかかるし、乾太くんのためだけの場所を作らないといけなくなるのでもったいないな・・と途中で思ってきたため見送ることになりました。
④ 気密性が落ちる要因にもなる
我が家は高気密高断熱の住宅にしたいと夫のけいが強く思っていたのでそこには予算をかけています。
最強の高気密とは、どこにも外部に漏れる穴がなければ密閉された空間であるのは想像しやすいですよね?
そう思うと、ガスの配管で建物に穴をあけるのは、気密性を悪くする要因にもなりえます。
高気密を維持したい人は乾太くんを設置するならちゃんと気密性を計測して、高気密になっているのかは確認することをお勧めします。
気密性の面で考えると仮に導入をするなら住宅建築時に一緒に導入するのが最も良いです。
途中で入れることを検討しているなら、事前に設置場所に配管用の穴を計画しておくと気密性もある程度担保できると思います。
厳密にいうと配管の穴をあけてもちゃんと空気穴を閉じれば最低限の空気の抜け道になりますが、穴がある建物とない建物ではない方が外にでる空気の量はすくないですよね?
という話です。
⑤ メンテナンスめんどくさくない?
乾太くんは基本的には乾燥後のフィルターにゴミが溜まっていれば、ゴミを取るだけですがガスの配管のメンテナンスもあることを忘れてはいけません。
メーカーの推奨では、年に1階は点検することをお勧めしており、おおよその費用が5,000~10,000円と言われているので、光熱費が年間で1万円浮いたとしても結局メンテナンスでとんとんになってしまいます。
素人が日常的に配管のメンテナンスができるわけでもないので、故障はかなりの運頼みになります。
洗濯機の場合は洗濯槽やホースなどメンテナンスできるところが多いのでちゃんとやれば故障のリスクを減らせますが、自分ではどうしようもないのがガス式乾燥機だったので、ちょっとこれは・・・と思い断念しました。
後付けでも安く導入したい方は楽天市場などのECモールで工事費込みの乾燥機を導入すると良い
私は乾太くんを導入しませんでしたが、エアコンは複雑な管の処理がないところは、後付けで取り付けました。
取り付け時に価格.comや直販サイトなどいろんなところを検索しましたが結局楽天市場でポイント買い回りやスーパーセールに合わせて購入した方が、ポイントバックが多くて実質価格は安く済みました。
なので私が仮に後から乾太くんを取り付けるとすると楽天市場で工事費込み(工事が別だと結局外注先を探すのと、外注費が高くなりがち)の商品を探すのでお勧めの商品を掲載しておきます。
乾太くんのメリット・デメリット
実際に導入を検討して感じた「乾太くん」の良い点とイマイチな点を、双子育児中のリアルな体験からお伝えします。
メリットは「ふんわり仕上がり」「時短効果」「生乾き臭の解消」。デメリットは「気密性」「ガス配管の手間」「初期費用の高さ」です。特に住宅に穴をあけるのは住宅性能を下げる要因になるので我が家は気にしました。
ここでは具体的な体験を交え、家族構成や生活リズムに合うかどうか判断する材料をご紹介します。
時短効果&仕上がりの良さ(メリット)
「乾太くん」はガスの高火力で一気に乾かせるため、5kgの洗濯量が約40分の短時間で終わるのが最も魅力的な点だと思います。
短時間で乾燥できるため、仮に子どもが「これ洗うの忘れてたー」と言ってきたとしても朝一で洗濯をすれば間に合うくらいの短さです。
そういった意味ではもしもの時にガス式の乾燥機は活躍すると思いますが、逆にそんなもしもは年間で何回おきますか?という話で何度も起きるのならそれはもう習慣を見直せば解決できるかなと思います。
あとは、乾燥の仕上がりは電気と比べて圧倒的にガスの方が良いです。
繊維が電気式のよりも立ち上がっているような感触でふわふわした仕上がりになります。 強力なので乾燥ムラが出づらいのもありますね。
コスト・住宅性能・メンテナンス頻度(デメリット)
本体価格でも決して安くはない乾太くん
グレードの高く、容量が多いものでは平気で30万近くします。30万もあれば乾燥機能付きの洗濯機が購入できますよね。
さらに設置のために壁に穴を開け、かつ設置場所も新たに考えないといけません。
設置した後も定期的なメンテナンスも必要なためずぼらでコストを抑えて建築したかった我が家にはあんまり適していませんでした。
乾太くん導入前に押さえるべきチェックポイント
失敗を避けるには、事前準備が肝心です。見積もり比較や現場確認だけでなく、信頼できる施工業者選び、保証内容の確認、アフターサービスの手厚さもポイント。
ここでは具体的に確認すべき7つのチェック項目をリスト化。導入後のトラブルや追加費用発生を抑え、安心して乾太くんを使うためのノウハウを共有します。
信頼できる施工業者の選び方
- 施工実績のあるガス機器専門店を選ぶ
- 工事内容・保証範囲を明文化した契約書を交わす
- 口コミサイトやSNSでの評判をチェック
- 見積もりは「本体+工事+オプション」を明細で提示
乾太くんのハード面
- 乾太くんの設置スペースは確保できているか
- 配管の設計は問題がないか
- 外置きな中置きタイプは間違っていないか
- 乾燥容量は十分か
保証内容&アフターサービスの比較
- メーカー保証:本体2年、バーナー部5年など
- 工事保証:施工不良時の再工事費用負担期間
- 定期点検プラン:年1回無料点検の有無
- 追加オプション:リモコン交換、部品交換の費用目安
まとめ:乾太くんはこんな家庭におすすめ/見送りを検討すべきケース
ガス乾燥機『乾太くん』は「時短効果」「仕上がりの良さ」「光熱費の節約」が魅力ですが、初期投資や設置条件、住宅性能も無視できません。
わが家のような双子育児中&家事効率重視の共働き世帯では、費用対効果と生活スタイルをイメージし冷静に見極めた結果、既存の部屋干し+除湿運用と時々洗濯機の乾燥で十分と判断しました。
一方で夜の間にすべて洗濯物を終えたい家計や、十分な予算とスペースが確保できる方には大いにありな選択肢だとも思います。
理屈を述べてもやっぱりガス式の乾燥機で乾燥された洗濯物には非常にふわふわでいつも満足感を味わうことができます。
記事内で紹介した費用シミュレーションやチェックリストを参考に、あなたのライフスタイルに最適な乾燥機選びをしてください。