「せっかくの戸建て、どうせ家を建てるなら、広々とした大きな家がいいな…」
家づくりを考え始めると、多くの方が一度はそう思いますよね。開放的なリビング、広い庭、たくさんの部屋数。モデルハウスや友人の新築を見ると、その憧れはますます強くなるものです。
こんにちは!千葉県でローコストの注文住宅を建てた、双子のパパ、けいと申します!もともと営業マンだった僕も、最初は「どうせなら広く大きな家がいい!」なんて思っていました(笑)。でも、実際に住んでみて思うのは、「あれ?本当に大きい家って幸せなのかな?」ということです。
大は小を兼ねる、なんて言葉がありますが大にするにはコストもスペースも必要で日ごろの生活を圧迫している可能性もあります。
この記事では、私たちがなぜ40坪以上の「大きい家」を諦めたのか、そして、コンパクトな家を選んだことで得られた「本当の豊かさ」について、実体験を交えてお話しします。予算オーバーや将来の後悔を避けたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
我が家のコンセプトは「子どもにもお財布にも優しい家づくり」です!
「おしゃれにしたい」「快適にしたい」「家事を楽にしたい」けど「できるだけ安くすませたい」
こんな価値観に合う方にきっと参考になりますので、ぜひ記事を見ていってくださるとありがたいです♪
目次
誰もが一度は憧れる「大きな家」、私もそうでした
モデルハウスで見たおしゃれな住宅
家づくりで物件情報を冊子で集めた後は、スーモの相談カウンターへ行き、打ち合わせついでに住宅展示場に足を運びました。
そこで見たモデルハウスは、賃貸のリビングの約2倍はあるリビングの広さに、さらに土手まであってまさにおしゃれな戸建てでした。
上手くスペースを活用されていて、20畳程度のリビングはもともと10畳くらいのリビングで狭さを感じていた私にはまさに戸建てのメリットを感じました。
吹き抜け、アイランドキッチン、そして大きな窓から光が差し込む開放感…。「うわー、広い!こんな家に住めたら最高だろうな」と、妻と二人で目を輝かせていたのを覚えています。非日常的な空間に、すっかり心を奪われてしまったんですね。
実家の戸建ての生活と比較して
追い打ちをかけたのが、実家が戸建て暮らしでの生活です。近所の友達たちと夏はちょっとしたビニールプールを広げて、夕方くらいになったらバーベキューをしようと友人家族と夜まで遊んでいたのが、子どもの時には非常に楽しく、せっかくなら実家に負けないくらい大きな家を作りたい。と単純に思ってしまいました。当時の僕は、家の広さがそのまま家族の幸せの大きさに繋がると信じて疑いませんでした。
当初は40坪以上で考えていた我が家の計画
そんな憧ればかりが先行して、私たちが住宅会社に最初に出した要望は「延床面積40坪以上、LDKは20畳以上で…」というものでした。子供は双子だから部屋は二つ必要だし、私の書斎、趣味で集めている漫画は4000冊はあるため趣味部屋も欲しい。来客用の和室も…なんて夢を詰め込んでいったら、あっという間に40坪オーバーの計画になっていました。この時の私たちは、その先に待ち受ける「リアルな現実」にまだ気づいていなかったのです。
なぜ「大きい家」は予算を圧迫するのか?見落としがちな5つの費用
憧れだけで進めてしまうと、思わぬところで予算がどんどん膨らんでしまいます。大きな家と聞くと「住宅費」が高くなることは想像しやすいですが、それ以外に建物の建築時には「土地代」「外構費」にかかる費用も大きくし、家が大きくなるとライフラインの引き込み工事の「工事費」が加算されたりします。
さらにいうと、建築時のイニシャルのコストだけではなく、「固定資産税」、毎月の「光熱費」も多くなります。
なんで大きい家が予算を圧迫するのか、私たちが直面した費用についてお話ししますね。
建物だけじゃない!土地代と意外な外構費のワナ
40坪の家を建てるには、当然ながらそれなりの広さの土地が必要です。私たちが探していた千葉のエリアでも、建ぺい率を考えると最低でも60坪以上の土地が必要でした。当然、土地が広くなれば土地代も高くなります。
さらに、意外な伏兵が「外構費」。仮に大きな土地を購入して、家をコンパクトにすると、外構の面積が広くなります。そうなると広い土地をぐるっと囲むフェンス、車2台分の駐車場、庭の芝生やウッドデッキ…。「建物価格」ばかり気にしていたら、外構の見積もりで100万円以上も予算オーバーなんてこともあり得るんです。
仮にですが坪単価が変わらず、土地と住宅のサイズが変わった簡易的な計算を行うと15坪くらい差が出るだけで500万円は差が出てくる想定になります。
項目 | 30坪の家(土地50坪) | 40坪の家(土地65坪) | 差額の目安 |
---|---|---|---|
土地代 | 1,500万円 | 1,950万円 | +450万円 |
外構費 | 150万円 | 220万円 | +70万円 |
合計 | 1,650万円 | 2,170万円 | +520万円 |
※土地代を坪30万円、外構費の目安で計算した場合 |
結局大きな土地を買うと、家か外構費どちらかのコストが膨らむ
結局大きな家を作ろうとすると大きな土地が必要となり、大きな土地になると土地の周辺を囲むフェンスの長さも駐車場の面積も広くなり、外構費が高額になります。

家づくりにばかり気を付けていましたが、結局コスト増減の一番の要因は土地の大きさが影響しているのだと建てているときに気づきました。
外構費か住宅費の中に含まれることが多いですが、土地改良が必要となると家の面積分土地改良工事の費用は大きくなりますし、インフラの引き込み工事を行う場合距離も長くなるので工事料金が加算されることもありますので工事費も膨らみやすいです。
【要注意】固定資産税と光熱費は"住んでいる限り"払い続けるコスト
家づくりで怖いのは、建てるときのイニシャルコストだけではありません。むしろ、住み始めてからずっと払い続ける「ランニングコスト」の方が重要です。
家が大きくなれば、当然、土地や建物の評価額が上がり、毎年払う「固定資産税」も高くなります。また同じ断熱性能なら、広い家の方が冷暖房の効率は悪くなり、「光熱費」もかさみます。
住宅ローンに加えて、これらの固定費がじわじわと家計を圧迫する可能性を忘れてはいけません。
建ててからでは遅い!大きい家がもたらす暮らしのデメリット
予算の問題をクリアできたとしても、「大きい家」には暮らし始めてから気づくデメリットが潜んでいます。これも私の体験や地方に住む友人から聞いたリアルな声です。
【共働きには死活問題】終わらない掃除と管理の手間
これは声を大にして言いたいのですが、広い家の掃除は本当に大変です!部屋数が増えれば、その分だけ掃除機をかける場所が増えます。窓の枚数も多いことが一般的なので、年末の大掃除は一日仕事。
共働きでただでさえ時間がないのに、休日の大半が掃除で終わる…なんて生活は想像しただけでゾッとしますよね。我が家はコーギーもいるので、コンパクトな家でも掃除は大変です。
できる限り我が家もロボット掃除機を活用して効率的にしていますが、床だけではなく外壁や駐車場、窓までは毎日掃除できないので定期的な掃除にものすごく時間がかかっています。。泣
ペットを飼っている方でロボット掃除機を悩まれている方に向けて、我が家ではこちらのロボット掃除機を使っています。
なるべく家事を減らしたかったのでゴミの自動吸引はもちろんのこと、温水でモップを自動で洗ってくれるのが神です。
以前まではシャオミの格安ロボット掃除機を使っていましたが、温水でモップ洗いをしてくれるかしてくれないかでモップの乾き方が全く違うので、水洗いだけではなく温水で洗ってくれることが最高です。
エコバックスはクーポンや買い回りセールなどで半額くらい値段が下がるのでそのタイミングで買うことをおススメします。
シャオミのロボット掃除機も吸引とモップ拭き自体は特に気に入らなかった点はありませんでしたので、お試しから始めたい方には良い商品です。
子供が独立したら…夫婦2人には広すぎる「空き部屋」問題
今は6歳の双子の娘たちで賑やかな我が家ですが、15年、20年後には2人とも巣立っているかもしれません。
今はうれしいことに大人になってもここで生活すると言ってくれていますが・・・
その時、使われなくなった子供部屋はどうなるでしょうか?きっと、たまにしか使わない物置部屋になりますよね。それなのに、その部屋のためにも高い固定資産税を払い、定期的に掃除や換気をする…。
将来、夫婦2人になったときの暮らしを想像してみると確実に不要な部屋になりそうなため、僕は運動が好きなので簡易的なジムの部屋に仕様かなと思っています。
意外と盲点?部屋が広いと家族のコミュニケーションが減る可能性
LDKが広すぎたり、1階と2階で生活が完全に分かれてしまったりすると、同じ家にいるのに顔を合わせない「家庭内すれ違い」が起こりやすくなる、という話を聞いたことがあります。
それぞれの個室が快適すぎると、リビングに集まる機会も減ってしまうかもしれません。我が家はあえてリビング階段にして、子供たちが必ずリビングを通る設計にしました。
適度な距離感は、家族のコミュニケーションを円滑にする効果もあるんですよ。
後悔しないために!「我が家のベストな広さ」を見つける方法
では、どうすれば後悔しない家づくりができるのでしょうか?闇雲に坪数を減らすのではなく、「家族にとってのジャストサイズ」を見つけることが大切です。
今思うと、私たち4人かつ各人の部屋を設けたとしても40坪はいらなかったかなと思いますし、30~35坪あれば間取り次第で十分広さ含めた快適な暮らしができると確信しています。
そんなことに建ててから気づく前に皆さんにああったベストな広さを見るけるためのポイントをここでは紹介します。
今の暮らしと10年後の家族を想像してみよう
まずは今の生活と将来のライフプランを紙に書き出してみるのがおすすめです。「朝起きてから寝るまで、家族はどの部屋で何をしている?」、「10年後、子供は何歳で、どんな生活を送っているだろう?」と具体的に想像するんです。
そうすると、「お客さんは年に数回しか来ないから、客間は要らないな」「子供は親が見ていないと勉強をさぼるかもしれないからリビングで学習する方が良いかも」といった発見があり、本当に必要な部屋や広さが見えてきます。
現在、10年後、20年後の3パターンくらい考えておけば大きく失敗を防げるはずです。
注意するポイントが自分たちが80歳などの年齢を加味しだすとスロープが~、階段は~と逆に選択肢を非常に狭くしてしまうので、子どもが独立するくらいの未来の年数を見ることが重要だと思います。
LDKは何畳?子供部屋は?部屋ごとの「最低限」を考える
憧れから入るのではなく、「これだけあれば十分」という最低限の広さ(ミニマム)から考えていくのも一つの手です。
- LDK: ソファとダイニングテーブルが置ければOK → 13~16畳でも十分
- 寝室: ベッドと通路が確保できればOK → 6畳でも大丈夫
- 子供部屋: 勉強机とベッドが置ければOK → 4畳×2部屋
このように、各部屋の目的を明確にしていくと、合計の坪数が現実的な数字に落ち着いてきます。
特にリビングは広く取りたくなりますが、平面に広くするのも1つですが、縦に空間を広くすると体感でリビングが広く感じます。
吹き抜けや勾配天井を利用して開放感を演出したリビングで畳数をサイズダウンしても意外と問題ないかもしれません。
【結論】家のサイズは大きくても35坪に収めておけ
最終的に、私たち家族は延床面積120㎡、約40坪の家を建てました。
そこから感じるのは無駄を省いて、意外と使わない部屋を加味すると30~35坪で十分満足した家ができたなと振り返って思います。
住宅ローンの圧迫感から解放された、心の余裕
大きな家にできた理由の1つは我が家がローコスト住宅で建築したことがあります。
40坪の家になったものの、ローコスト住宅で単価が50万前後なことと、土地も田舎の方に購入したかつ以前の売り主さんに解体費用や割引をお願いして、相場より安く手に入れられたことで、お金の不安は最小限になりました。
我が家の金額が知りたい方はこちらの記事で総額を公開しています。
この「心の余裕」は、日々の暮らしの質を大きく上げてくれました。無理のない返済計画だからこそ、将来の教育資金を貯めたり、たまに家族旅行に行ったりする余裕も生まれています。
家事効率を考え抜いた「コンパクト動線」で自分の時間が増えた話
我が家は「キッチン⇔パントリー⇔洗面所⇔ファミリークローゼット」が最短な動線にしており、掃除と家事が楽な間取りにこだわりました。
家中を無駄に歩き回る必要がないので、忙しい共働きでも効率的に家事をこなせます。1階は平日基本的に過ごしますが、休日や夜の時間は2階に各部屋を持ってきているので、プライベートを楽しむこともできます。
その結果、平日の夜や休日に、うまく生活を切り替えられていると感じますし、自分の趣味や子供と向き合う時間が事実賃貸の時よりも増えましたし、ストレスも体感減りました。これは、広い家では決して手に入らなかった価値だと感じています。
広さはコンパクトに質にこだわろう。
正直40坪もあると空間に無駄が結構できてしまいます。いわゆる無駄に広いって感じですww
リビングが約20畳、小上がり畳を加えると25畳程度になるので、だいぶ大きく作ってしまいました。
リビングはソファもおいておらず、無印の人をダメにするクッションとこたつを出していますがそれでも空間があまりますw
そういった無駄に広い空間分予算を質に向ければ吹き抜けやおしゃれなアイアン階段にも仕上げられたかなと思うと、もう1階家を作ってみたいなと思います。
まとめ
今回は、私自身の経験をもとに、戸建てなら大きくしたい、ただ「大きい家=幸せとは限らない」というテーマでお話しさせていただきました。
家づくりを始めると、どうしても「広さ」や「部屋数」といった分かりやすい指標に目が行きがちです。しかし、本当に大切なのは、そこで暮らす家族が「どんな毎日を送りたいか」を考えること。
私の好きな雑誌にGO OUTがあるのですが、それを見ていると都内の狭小地ながら趣味全開の住宅が載っていたりしてこういった振りきった家でもなんだかんだ子どもは楽しかったのかなーと考えたりもします。
- 予算に追われず、心に余裕のある暮らし
- 家事に時間を取られず、家族との時間を大切にする暮らし
- 広さよりも、自分たちの「好き」を詰め込んだ質の高い暮らし
もしあなたが今、「大きい家」に憧れつつも、どこかで予算や将来の不安を感じているなら、一度立ち止まってみてください。そして、「私たち家族にとっての本当の幸せって何だろう?」と問いかけてみてください。
この記事が、あなたの家づくりが後悔のない素晴らしいものになる、そのきっかけになれば嬉しいです!