「家を建てたい。でも予算には限りがあるし、将来の教育費や生活費も心配…」
そんな思いから、私たち夫婦はローコスト住宅を選びました。
千葉県で双子の子育てをしながら、1匹の犬と暮らす我が家。親は遠方に住んでおり、頼れるのは自分たちだけ。そんな状況で「高すぎない、でも満足できる家」を目指し、建売でも注文住宅でもない“ちょうどいい”選択肢を探し続けました。
この記事では、実際に私たちがなぜローコスト住宅を選んだのか、その背景や選んで良かったと感じる理由、そして不安だった点についても包み隠さずお伝えします。
これから家を建てようと考えている方にとって、リアルな判断材料のひとつになれば幸いです。
我が家のコンセプトは「子どもにもお財布にも優しい家づくり」です!
「おしゃれにしたい」「快適にしたい」「家事を楽にしたい」けど「できるだけ安くすませたい」
こんな価値観に合う方にきっと参考になりますので、ぜひ記事を見ていってくださるとありがたいです♪
目次
ローコスト住宅を選んだ人が増えている理由とは?
昨今の住宅価格の高騰もありローコスト住宅を検討されている方も多いのではないでしょうか?
ローコスト住宅がまた選ばれやすくなっている背景についてここでざっくりと解説します。
注目される背景には住宅価格の高騰

住宅価格は年々上昇しています。国土交通省の「建築着工統計調査(令和5年)」によると、注文住宅の平均建築費は1戸あたり約4,000万円と、年々上昇していることがわかります。
写真が全国ですが都市圏やその周辺地域では、さらに土地代も高騰しており、建物にかけられる予算が圧迫されるケースが多くなっています。
こうした中でラグジュアリーな住宅よりも「必要な機能だけに絞った住宅」に関心が集まるのは自然な流れかもしれません。
高性能住宅やデザイナーズ住宅も魅力的ですが、コストに見合う価値を冷静に見直す人が増えてきている印象です。
物価上昇と収入の伸び悩みが判断の後押しに

物価が上がっているのに、収入はあまり増えない――。そんな現実を実感している家庭は少なくありません。厚生労働省の「各種世帯の所得等の状況」によると、直近児童がいる世帯ではやや平均所得は上昇しているものの、全世帯で見たときは横ばいまたは減少になっています。
所得はほぼ横ばいなのに対し、住宅価格は上がっている、、、
このような経済状況の中、住宅に過剰な投資をするよりも、教育費や生活費、老後の資金など他の支出とのバランスを取ろうとする考え方が主流になりつつあります。
まさに「今の収入で無理なく建てられる家」が、ローコスト住宅を選ぶ理由のひとつになっているのです。
自由設計でコストを抑えられる選択肢が広がっている
とはいえ、一昔前の作れば大量生産大量消費時代では似たりよったりの家でも売れる時代から今は自分らしさ、個性を重視していることもあり建売ではなく、注文住宅が選ばれているという状況もあると思います。
ローコスト住宅の場合「規格型の自由設計」を採用する会社が増えており、間取りや内装をある程度自由に選びながらコストを抑えられる仕組みが整ってきました。
私たちが依頼した住宅会社でも、基本プランは決まっているものの、壁紙や設備、間取りの細かなカスタマイズには柔軟に対応してもらえました。
これにより「自分たちらしさを出しつつ、費用は抑えられる」という理想的なバランスが実現できました。以前のように“画一的で味気ない家”というイメージは、今ではすっかり過去のものです。
私がローコスト住宅を選んだ5つの理由【体験談】
私たち家族がローコスト住宅を選んだのは、「安かった」のは重要なことは間違いないのですが、なぜ安さにこだわったのかについてここで説明します。
建売や中堅ハウスメーカーとの比較で感じた違い
最初は建売住宅も検討しました。比較的立地の良いところながらリーズナブルなので結構気に入っていました。
今は見た目もいい建売も多いですしね。ただ調べていくと住宅には性能があり、気密性や断熱性を聞くといまいちパッと答えてくれる住宅会社がなく多くの会社で測定していないからわからないという回答が多かったです。
ということは、あまり自信がないのかなと思いこれまで寒くて暑い賃貸に住んでいたこともあり、私たちの希望にフィットしないと感じました。
また中堅ハウスメーカーも検討しました。その住宅会社は、メンテナンス費用を抑え長期で見たときに費用を抑えられることを売りにしておりましたが、実際ローコストメーカーでも同じような建材も使えることと、そうした場合に大きくローコスト住宅会社と変わらないと判断しました。
端的に言うと、中堅ハウスメーカーは全体的に質のいい建材を使っている、かたやローコスト住宅は自分の気になるところの質を追加料金を出せば同等にできるという違いでした。
我が家では、予算的にもこだわりがピンポイントだったこともあり必要なところにお金をかけるという方向で決定しました。
スピード感のある対応
住宅選びでは、営業担当者との相性も大きな要素になります。すでに初回の面談前にHPを検索して面談に臨んだのですが、ローコスト住宅会社のほうがスピード感が早かったです。(ここは私の体験ベースなので会社によりけりなところでもあります)
おそらくローコスト住宅は回転率を速くしないと利益を生み出せないため、初回の面談でこちらがメーカーについて知っていると思うや否や希望の条件に合いそうなイメージパース(おそらく過去の建築例)を出して、こんな家が作れますよ、とすぐにイメージを出して話を進めてくださいました。
一方で中堅ハウスメーカーの方に「HPを拝見しまして~」と話してもテンプレのような会社説明を受け初回は会社説明だけで終了。早く家づくりをしたかった我が家からしたらスピード感のある対応ができる会社にしました。
逆にゆっくり考えたい人からすると合わない場合があるかもしれません。
資金計画の中で「無理をしない予算」にしたかった
家を建てたあとも、生活は続いていきます。私たちは子どもが双子ということもあり、将来の教育費や家族のライフイベントを見据えて、住宅費はできるだけ抑えたいと考えていました。
これまでは70平米くらいの賃貸住みで毎月10数万円支払っていたのですが、子供が大きくなってくると手狭に感じておりもっとのびのびと生活してほしいけど予算を抑えたいと若干のストレスをずっと抱えていました。
特に双子なのでドタバタ家の中で叫んだり、はしゃいだりするのでマンションは厳しいなーと思っていて、そんな時にはじめて住宅の購入を考えました。
ただやっぱり高いんだろうなーと思っていましたが計算をすると安い住宅会社であれば今までの支払いより金額が抑えられるローコスト住宅に目を付けました。今では賃貸料金以下で月々の支払と数年度のメンテナンス費用も貯蓄できているので無理しない住宅が建てられるのはローコスト住宅の一番の魅力だと思います。
土地の選べる選択肢が多い
住宅価格は土地代と住宅の建築コストできまります。
当然ながら住宅の価格が上がれば予算をひっ迫してしまうので、希望の土地が買えないことだってあります。
そういった意味では住宅価格を抑えられるローコスト住宅にしつつ、希望のエリアに住める確率を上げるというのはお勧めです。
住宅は劣化していくので、できれば土地を残してあげたかったことと、子供の育児で庭で遊ばせたい希望があったので、私の場合はエリアというよりも大きい土地が買うためにローコスト住宅を選びました。
最悪の場合、住み替えも選択肢における
やはり人生最大の買い物だけあってローコスト住宅でも決して安くはありませんが、万が一何かあった際は高級住宅よりも手放しやすいと思っています。
例えば子供が学校でいじめにあった、近所にへんな人が引っ越してきた、災害があったなど考えればリスクはなくなりませんが、その時に最悪この家で負債を背負っても少ない傷で済むようにと考えたことも選んだ理由です。
億円をこえるような家の場合、気持ち的にも金銭的にもなかなか手放すという選択肢がないかもしれませんが、ローコスト住宅であれば、最悪もう一回建てられるかもな・・・と希望があります。
人生のリスクヘッジをするという考えもローコスト住宅にはぴったりだと思います。
不安やデメリットは?選んでよかったと思えた理由
やはり家を建てるとどこで建てたの?と聞かれますが、その際に地元のローコスト住宅メーカーと答えると「大丈夫?」と心配されることがあります。
実際に来てもらえれば問題のないことを実感してもらえるのですが、価格だけ聞くと心配ですよね。ここでは住む前に不安になりそうな点について実際の体験談からフォローできればと思います。
「安かろう悪かろう」ではないと感じた施工品質
正直に言うと、最初は「価格が安い=品質が低いのでは?」と不安でした。
多少は目をつむるつもりでしたが、建築現場の大工さんも職人気質でこだわりが強い方で信頼がおけましたのでその心配は杞憂でした。
私たちがお願いしたハウスメーカーは提携している大工さんを自社で抱えているようで専属の大工さんが一貫して対応してくれました。
実際管理体制についても説明をしてくださったので大工さん⇔ハウスメーカー⇔第三者機関によるチェックで結構完ぺきでは?というくらいしっかりとしていました。
引き渡し時にはたしかに数点修正してもらう箇所はありますが、ネットの口コミなどを見る限り有名な「~~工務店」などでも同じくらいの修正が入ることもあるようなのでローコスト住宅だから修正がたくさんあると言ったことはないかと思います。
オプションを取捨選択することで後悔なし
ローコスト住宅では「標準仕様」が決まっているため、そこから追加する部分がすべて“オプション”になります。
確かに追加すれば高くなりますが、逆をいうと不要なところまでお金をかけないことを選べるということでもあります。
私たちは屋根の素材や見た目さえしっかりしていれば外壁もそこまでこだわりはなかったので、全体的に高い中堅ハウスメーカーよりローコスト住宅の方がメリハリをつけれてよかったです。
オプションも把握しきれないほどあるので、予算さえかければだいぶ自由な設計が可能ですので、ローコスト住宅にしたからこれができない・・ということはほとんどありません。
家の作り方でSE工法など大工さんの技術がいる工法はできないなどはありますので、柱をなるべく建てたくないなどある方は事前に確認しておくとよいです。
住み始めてわかった断熱・気密の十分さ
ローコスト住宅でもちゃんとお金を支払えば高気密高断熱を実現することができました。
外壁のすぐ中に断熱材などが入るので、家が大きくなるとその分高くなりますが、気密性、断熱性ともに0.5未満に収まっています。
特に窓はいいところだとトリプルガラスを使ってーと言われましたが、トリプルガラスは北海道クラスの寒さの地域でしかあまり聞かないかつその分価格が高いので、逆にそこの住宅メーカーを選んでいたら確実に家づくりをしていなかったと思います。
ローコスト住宅で気密性や断熱性がにっちもさっちもいかない・・・となると、選択肢から外れていましたが、そんなことはなかったので価格と性能のバランスがとりやすいのは良いです。
標準仕様でも賃貸より設備がいいこともある
実際に暮らしてみて思うのは、「標準仕様でもまったく不自由がない」ということ。むしろ賃貸専用のマンションやアパートの場合、設備のグレードを最低限にして、なるべく収益性を高くしている賃貸もあるのでローコスト住宅の方が設備が良かったなんてケースもあります。
私が住んだところがいまいちだっただけかもしれませんが、すべて聞いたこともないメーカーや築年数が古い家は昔の設備のままなこともありました。
新築の賃貸であっても聞いたことのあるメーカーでも1番下のグレード(それでも全然うちは気になりませんでしたがw)だったのは、実際に注文住宅で仕様を選ぶ際にグレードがあると聞いて気づきました。
そんな経験もあり、普通に過ごす分にはすべて標準仕様でも「これじゃ絶対に嫌だ!!」となることは多くないかなと感じます。
むしろ標準仕様でも今の生活よりグレードアップするじゃん!!とテンション高くなったことを今でも覚えています。
ローコスト住宅も選ぶ会社によってはタカラスタンダード、リクシル、TOTOなど国内の大手メーカーを使っていることや、グレードもミドルクラスのものだったりするので結構満足できます。
まとめ
ローコスト住宅は昨今の物価高や上がらない賃金水準から比較すると有力な候補として注目されています。
私たちのようになるべく変化に対応しやすくするには、住宅価格を抑えながら満足できるローコスト住宅は選択としてありだと思います。
ローコスト住宅は安かろう悪かろうというものでもなく、ちゃんと出会えば標準仕様内で価格を抑えながらも質の高い家を作ることは可能です。
不安になることもあると思いますが、この実体験が少しでも参考になれば幸いです^^